先日沢山の木の一枚板を仕入れてきました。ちょうど良い機会ですので
一枚板を商品にするための製作過程の第一歩とは をお話いたします。
トラック一杯に積み込んでお店まで持ってきてからの様子をご紹介しますね。
一枚板の仕入れは丸太での仕入ればかりでなく、板状に割ってあるものでの仕入れを行う事もあります。
丸太で仕入れをした場合は、このように大きなノコギリで丸太を切って割っていく作業が追加でかかるものなのですが…
一本仕入れると相当な金額と相当な枚数が同じような形と色味で取れるので、多様な板をお客様にご提案したい私としては、「イイトコ取り」の板仕入れも積極的に行っています。
今回、山盛り仕入れを行ってきた一枚板の山々をこのように工房の屋根の下に搬入します
どの一枚板もまだ木が生きるために体にため込んだ水分を含んだ木の板ばかり。生きていた丸太を割ったばかりの木とは、表面を触ると手が濡れるほどに濡れている物なんですよ。
ですので、これからその水分を少なくする為に、木の間に木を挟んで風通しを良くして、榎本銘木店の工房兼乾燥倉庫で約2年ほど自然乾燥させます。
ただその前にも一枚一枚に乾燥前のお手入れが必要で、全てばらして並べます。
水分を含んだ一枚板は手で持てない重さなので、ここまでの並べる作業まででもなかなか大変な作業なのですが、ここで行った作業は必要な箇所に割れ防止塗料の塗布と防虫薬の塗布。
半日ほどで表面の塗料が乾くので、半日後にこの重いの全て裏返してもう一度同じ工程を繰り返し。
これで約二年の自然乾燥を行うための第一歩目が終了、あとはまた塗料を乾燥させて全て積み上げて乾燥倉庫で時が経つのを待つわけです。
ちなみに、この様な作業無しで乾燥期間も無しで販売している業者もあるようです。知らずに購入した一般の顧客様が買った後にヒビ割れや反りや虫が出てくる訳です。怖いので乾燥状態だけはよくよく確認しましょう。お値段も若干安めに販売しているのが多いので思わずポチッとしてしまいそうですが…目で見えないのが難しい所ですね。余談でした。
話戻って、その中に少しラッキー?な素晴らしい一枚が混じっていて、この上品なケヤキ材
どなたかが長期保有していたものを何らかの理由で再度出品したのか⁉かなり乾燥している材だったんです。何だか妙に手入れがされているしいいもの仕入れる事が出来たようです。
これでうまく乾燥できれば、たくさんのお客様に楽しく選んで頂ける多様な種類の板がご提供できます。喜んで頂けるといいな。
その為にも乾燥途中で割れないように湾曲しないように虫に食われないようにと、十分に注意しながら大切に手を掛けていこうと思います。
お客様に安心の一枚板をご提供するために、こんな作業もしていますよ。皆様の目に触れる前に行っている一枚板の製作工程を少しご紹介しました。